使用される鍋
日本の鍋料理に使用する鍋として、最もポピュラーなのは陶器製の土鍋です。 土鍋は熱伝導性が低いため火がじっくりと通り、長時間の煮込みでも焦げ付いたりする危険性が低いために鍋料理に適しており、寄せ鍋をはじめとして多くの鍋料理に対して用いられます。
具材を煮込む前に焼く工程があるすき焼きなど、土鍋には向かない調理法がある場合は鉄、ステンレスなどの金属製の鍋(金属鍋)が使われます。 もちろん、通常土鍋が使われる料理を金属鍋で代用することも可能で、最近の電磁調理器の普及に伴い、それに対応した土鍋風ホーロー鍋なども販売されています。 また、ジンギスカン鍋、フォンデュなど、それ専用に作られた独特の形状の鍋を使用する料理も多くあります。
変わったところでは、主に日本料理において使われる「紙鍋」というものがあります。 これは、耐水加工をした和紙を器の形にしてスープと具材を盛り、下から直火で炙って鍋にするもの。 紙が中に入れた水(スープ)の沸点である摂氏100度以上に熱せられず、燃える温度に達しないためにこのような技法が可能となっています。 見た目の優美さ、和紙が具材のあくを吸うためあく取りが不要であることなどのメリットがあるほか、容器を使い捨てに出来ることから、大人数による宴会などでの卓上鍋として用いられることが多い。 なお、紙鍋とほぼ同様の形状・用途のものにアルミニウム箔製の「箔鍋」があります。
また、昆布を器にした「昆布鍋」というものもあります。